2026/06/05 23:38

丸くてどっしりとした塊根(コーデックス)から、薄く透明感のある盾型の葉をひょろりと伸ばす──ステファニア・カウィーサキは、そんな不思議な姿で植物好きを虜にしてきた塊根植物です。近年の多肉植物・コーデックスブームの中でも、その独特のフォルムと管理のハードルの低さから、初心者からコレクターまで幅広い層に人気を集めています。


しかし、「塊根が腐ってしまった」「芽が出なくなった」「葉が全部落ちた」といったトラブルの声も後を絶ちません。原因のほとんどは水やりの失敗と休眠期の管理ミス。正しい知識さえあれば、カウィーサキはとても育てやすい植物です。


この記事では、ステファニア・カウィーサキについて知りたいことをすべて1記事に集約しました。購入を検討している方も、すでに育てていて悩みを抱えている方も、ぜひ最後まで読んでみてください。


tokyoplants では国内流通量の少ないステファニアを随時取り扱っています。

購入をお考えの方はぜひ tokyoplants ステファニア一覧 をご覧ください。




第1章:基本情報


学名・分類・原産地

ステファニア・カウィーサキ(Stephania kaweesakii)は、ツヅラフジ科(Menispermaceae)ステファニア属に属する多年生つる性の塊根植物です。原産地はタイ北部・中部の石灰岩地帯。険しい石灰岩の崖や岩の間に自生し、乾季に地上部を枯らして塊根で生き延びるという戦略をとっています。この過酷な環境への適応が、あの印象的な丸い塊根を生み出しました。

種の記載は2014年と比較的新しく、植物学的にもまだ研究途上の部分が多い種です。英名では「Shield Vine」とも呼ばれ、盾のような丸みを帯びた葉の形状に由来しています。種小名の「kaweesakii」は、タイの植物学者・Keerati Kaweesakさんに捧げられたものです。


【基本情報】
学名:Stephania kaweesakii
科名:ツヅラフジ科(Menispermaceae)
属名:ステファニア属
原産地:タイ北部〜中部(石灰岩地帯)
成長型:夏型(春〜秋成長・冬休眠)
耐寒性:弱い(5℃以上を推奨・10℃以上で安心)
耐暑性:強い(35℃程度まで問題なし)
難易度:初級〜中級
成長速度:やや遅め〜普通
最大塊根径:数十cm(野生株)/ 栽培株は10〜20cm程度

塊根植物の中での位置づけ


塊根植物(コーデックス)というジャンルの中で、カウィーサキは「比較的手に入りやすく、管理もそれほど難しくない入門種」として位置づけられています。アデニウムやパキポディウムのような豪快さはありませんが、その分スペースを取らず、室内でも育てやすいのが特徴です。同属のステファニア・エレクタ(S. erecta)がより広く普及しているため、カウィーサキを育てることでコレクション性も高まります。




第2章:外見の特徴


塊根(コーデックス)の形・質感・成長

カウィーサキ最大の魅力は、その塊根の形状です。扁球形〜球形の塊根は、まるで石か木の瘤のようにゴツゴツとした質感を持ち、コルク状の灰褐色の表皮で覆われています。野生環境では直径数十センチにまで育つ個体もありますが、栽培下では数年かけてゆっくりと成長し、10〜20cm程度になることが多いです。

成長速度は季節によって大きく異なります。成長期(春〜秋)は根元から少しずつ膨らみ、年間数ミリ〜1cm程度直径が増えることもあります。休眠期は成長が止まり、塊根がわずかに縮むことがありますが、これは正常な現象です。


塊根は地上に露出させて「芋見せ」スタイルで育てるのが一般的な楽しみ方ですが、原産地では半分以上が地中に埋まっています。地上部への露出率は好みと観賞スタイルに合わせて決めてよいでしょう。

葉の特徴




第3章:年間管理カレンダー


【月別管理】
1月:休眠中 / 断水 / 保管場所の温度確認
2月:休眠〜芽出し準備 / 断水〜月1回程度 / 置き場所を明るくする
3月:芽出し期 / 土が乾いたら少量 / 植え替え(芽が動き始めたら)
4月:成長開始 / 土が乾いたらたっぷり / 支柱の設置・整理
5月:活発な成長期 / 土が乾いたらたっぷり / 肥料月2〜3回
6月:旺盛な成長期 / 同上 / 屋外管理も可
7月:旺盛な成長期 / やや多め / 直射日光に注意
8月:旺盛な成長期 / やや多め / 葉焼け対策
9月:成長鈍化開始 / 徐々に減らす / 肥料月1〜2回に減らす
10月:成長鈍化期 / 2〜3週間に1回 / 室内へ移動
11月:落葉・休眠準備 / 月1〜2回程度 / 落葉の確認
12月:休眠中 / 断水 / 越冬場所の確保




第4章:置き場所と光管理


成長期の最適な置き場所

カウィーサキに最適な環境は「明るい間接光」です。直射日光が当たらない明るい窓辺、あるいは薄いレースカーテン越しの日光がちょうどよい光量です。南向き・東向きの窓辺が理想的で、1日4〜6時間程度の柔らかい光が当たる場所が最適です。


季節ごとの置き場所

・春(3〜5月):室内の明るい窓辺。5月以降は屋外の日陰も可
・夏(6〜8月):屋外の場合は遮光30〜50%。室内は南〜東向きの窓辺
・秋(9〜11月):気温が15℃を下回り始めたら室内へ
・冬(12〜2月):室内の日当たりのよい暖かい場所。最低5℃以上を確保




第5章:水やり(最重要)


塊根が腐る原因のほぼ全ては水やりすぎ

断言します。カウィーサキの塊根トラブルの大多数は、水やりのしすぎが原因です。塊根植物は体内に大量の水分と養分を蓄える構造を持っており、その分過湿に対してとても弱い性質があります。

「水やりは少ないくらいがちょうどいい」──これがカウィーサキ管理の大原則です。


成長期の水やり

基本は「土が完全に乾いてから、鉢底から水が出るまでたっぷりと」です。


タイミングの確認方法:
①指で触る:土の表面だけでなく、指を第一関節まで土に刺して確認。湿り気が全くなければOK
②鉢を持ち上げる:乾いた土は軽く、濡れた土は重くなります
③竹串を刺す:刺して抜いたとき、湿り気がなければ水やりタイミング
④葉・蔓の様子:蔓がわずかにしなりを見せ始めたら水不足のサイン

水をやったら受け皿の水は必ず捨てること。受け皿に水を溜めたままにすると過湿につながります。